ドラマ「シグナル」をより理解するためのリアル事件簿

2018年4月からフジテレビでスタートする日本版「シグナル長期未解決事件捜査班」は、韓国の同タイトル「シグナル」をリメイクしたドラマです。

オリジナルの韓国「シグナル」は、2016年大ヒットした「太陽の末裔」と人気を二分した話題のサスペンス・ヒューマンドラマです。

このドラマにはサスペンスの要素として実際に過去韓国で起きた事件を使い、その事件を軸に加害者と被害者、犯人と刑事、そしてこのドラマ最大のミステリー、過去と現在の通信がなぜできるのか?イ・ジェハン(チョ・ジヌン)の死との関連性が明らかになるまで目が離せないドラマです。

>>> 「韓国ドラマ「シグナル」あらすじ・相関図・キャスト

 

それぞれの事件が関わる人の人生観や人間性に影響しドラマを盛り上げる要素にもなっています。また事件は関わる人だけでなく、社会にも大きな影響を与えるだけにドラマに出てくる事件を知れば、よりドラマの展開に興味がわきますよ。

ドラマを見るポイントと実際の事件について紹介します。

 

 

ドラマ「シングル」のモチーフ事件が韓国で起こした社会的影響力とは?

ドラマの後半へとなる段階で、過去との通信やなぜ無線が11時23分につながるのか、イ・ジェハン刑事の行方不明の真相につながる伏線として各事件が重要な転機となっています。また、単なるドラマ構成の一部としての事件でなく、その後の韓国社会に影響を与えた事件ともなっています。

 >>> 前半の事件解説を知る

 

英大橋崩壊事故:第5話~第7話 聖水大橋崩壊事件(実事件)

この英大橋崩壊事故は1994年に起きた「聖水大橋崩壊事故」を思わせる。この事故は韓国の歴代惨事の1つともいわれる大事故で手抜き工事がその原因とされている。

他に「三豊百貨店崩壊事故」「大邱地下鉄工事爆発事故」、最近では「セウォル号沈没事件」と並んで韓国での政府と企業による安全意識と監督責任の欠如を露呈するものとなり、国民からの非難の声が大きかった事故。

聖水大橋はソウル特別市の漢江にかかる橋で1979年に開通し事故後2004年に最終的な全面開通となって現在に至っている。(現在の聖水大橋の様子↓↓)

聖水大橋

事故当時、朝の通勤通学のラッシュ時ということもあり犠牲は死亡者37名、負傷者17名の惨事となった。その犠牲者の中には女子高校生8名、女子中学生1名、ソウル教育大学の学生1名が含まれていた。

この大学生の遺族は本人の意思を尊重して臓器提供や検体へ協力しており、また遺族への補償金を苦学生に対する奨学金として寄付し移動図書館を寄贈するなど教育の支援に寄与している。

 

ホンウォン洞連続殺人事件:第9話~第11話 新亭洞連続誘拐殺人事件(実事件)

この事件は2005年~2006年に起こったソウル新亭洞で起きた連続誘拐殺人未遂事件を元にしていると思われる。犯人は2人組の男とされているが未だ犯人は捕まっていない未解決事件。

誘拐され脱出した唯一の生存者がいるが、その証言から監禁場所にあった下駄箱に当時流行していたウサギのキャラクターのステッカーが貼ってあったことから別名「猟奇ウサギ事件」とも言われている。

 

インジュ事件:第11話~第14話 密陽暴行事件(実事件)

ドラマではこの事件でパク・ヘヨンと兄のトラウマ、なぜ過去のイ・ジェハンと現在のパク・ヘヨンが通信できるようになったのかの理由が明かされる重要な事件となっている。

この事件は2004年に慶尚南道密陽地方の事件を元にしていると思われる。

このドラマ「シグナル」の放送後、当時の事件について再判決を求める声が高まり韓国における女性の地位向上と被害者保護の機運が高まった。当時の加害者の中に密陽の有力議員や有力者の子弟が含まれ、44名のうち実際に実刑を受けたのが3名でしかも刑が10か月という軽いものだった。

2014年にはこれを素材に「ハン・ゴンジュ17歳の涙」として映画化され各国映画祭で賞を受賞している。

 

 

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