「コウラン伝」あらすじ・相関図・キャスト・時代背景
中国歴史ドラマ「コウラン伝始皇帝の母」は、中国を初めて統一した秦の始皇帝の母、李皓鑭(りこうらん)の波乱に満ちた人生をもとに描かれたドラマです。
日本で大ヒットしているマンガ「キングダム」の少し前の年代の話となっています。
断りをいれるなら、李皓鑭は本名ではなく、史実に基づけば “趙姫”(?-BC228)です。
この時代の高貴な女性は名前で呼ばれることはなく、史実としても詳しく残るものはあまり多くありません。
この趙姫も春秋戦国時代の趙の国に生まれたことから「趙姫(趙の国の女性)」と呼ばれています。
このドラマの見どころは①衣装や装飾品は史実を反映している、②2018年に話題となった「瓔珞(エイラク)」の出演俳優陣が多い、ということです。
事実、中国でもこの皓镧传(コウラン伝始皇帝の母)が放送されると、主役の李皓鑭役に吴谨言(ウ―・ジンイェン=エイラク役)、呂不偉役に聂远(ニエ・ユエン=乾隆帝役)など重なる俳優陣が注目されました。(詳しくは下記キャストで)
女性の髪飾りや衣装の刺繍は、発掘されたものや陶器や置物に装飾されているものを参考にしています。
また兵士の衣装や髪型、靴は発掘されたものを再現。各国の衣装の色合いも趙国の衣装は秦国のものに比べてやや爽やかで上品なデザインですが、秦国の色合いは黒を基調としていてやや重たい雰囲気になっています。
もくじ
「コウラン伝始皇帝の母」評価
中国の辛口評価サイト豆瓣(ドウバン)でのドラマ評価は4.9/10点となっています。
そこまで高い評価ではありませんが、その理由として歴史ドラマの基になる史実の少なさがあります。春秋・戦国時代は紀元前のため、記録に乏しく発掘されているものも少ないため歴史考証が正確ではないことが多いです。
また2018年に発令されたドラマ・映画に対する規制「限古令」が関係していると思われます。
これは史実からかけ離れた宮廷や朝廷の復讐・陰謀劇を規制するもの、史実から逸脱したものは放送許可がでなくなる法律です。
これにより実在した人物や史実は脚色が抑えられることとなり、歴史的な物証の少ないものは創作の余地が限られることとなりドキュメンタリー風ドラマを余儀なくされてしまします。
このドラマも話の展開は早いですが、宮廷の陰謀や李皓鑭(趙姫)の人物の創造性は抑え気味となっています。
時代が中国の春秋・戦国時代とやや女性にはとっつきにくい時代ですが、衣装やデザイン、建物の装飾などその時代を感じさせるものが多くありますので、メインストーリーとは外れますが、細部に注目してみるのも面白いですよ。
コウラン伝始皇帝の母 ドラマ概要&DVD・動画情報
原題名:皓镧传(2019年 中国)
話数:全62話(日本:34話)
キャスト:ウー・ジンイェン、マオ・ズージュン、ニエ・ユエン、タン・メンシー
放送:NHK-BS
「コウラン伝始皇帝の母」あらすじ:
中国紀元前の戦国時代末期、まだ中国が「戦国の七雄」と呼ばれる7つの大国が覇権を争う中、秦と趙の争いが激しさを増していた。趙の邯鄲(かんたん)では、御史・李赫の一族は継母の陰謀で一家は没落、李赫の娘・李皓鑭(ウー・ジンイェン)は実母を殺された上、売られてしまう。
そんな皓鑭を買ったのは呂不韋(ニエ・ユエン)。呂不韋は策を講じて皓鑭を当時 趙の王宮で人質となっていた、秦王の孫である異人(マオ・ズージュン)に献上する。
紆余曲折を経て皓鑭は嬴異人に嫁ぎ、呂不韋と共に趙王宮を混乱に陥れ、秦へ帰還を果たす。だが秦に戻ると皓鑭の子 嬴政の父親は呂不韋であるという噂が流れてしまう。
そんな中、父・異人が病で死に即位した嬴政は、父親の死と呂不韋に関わりがあると疑い次第に呂不韋との間に確執がうまれていく。愛する者と家族の狭間で李皓鑭はどのように生きていくのか?
戦国時代という過酷な世に生きながら、中華を統一した皇帝の母としてどのように生きていくのか、またそんな母に対する息子・嬴政の始皇帝としての決断とは?
コウラン伝始皇帝の母【登場人物/キャスト】
李皓鑭 | 呂不韋 | 嬴異人(子楚)/荘襄王 | 殷小春 |
ウー・ジンイェン | ニエ・ユエン | マオ・ズージュン | ジャン・ズーシン |
趙国出身。後に異人と結婚。嬴政(始皇帝)の母。/エイラクでは魏瓔珞役。 | 衛の大商人。異人を秦王にするべく画策。後に秦国の宰相となる。/エイラクでは乾隆帝役。 | 秦国王の孫。母は夏姫。趙国に人質となる。後に秦国王となる。嬴政の父。 | 趙国医師。後に秦国の軍医となる。/エイラクでは明玉(瓔珞侍女)役。 |
安国君/嬴柱 | 華陽夫人 | 趙国公子 蛟 | 趙国宰相 趙勝 |
ワン・マオレイ | タン・ジュオ | ホン・ヤオ | リウ・エンシャン |
秦国太子。嬴異人の父。/エイラクでは袁春望(瓔珞の兄貴分の太監)役。 | 安国君の正室。異人を養子にする。/エイラクでは高貴妃役。 | 趙国王 趙丹の長男。皓鑭の義妹の夫。/エイラクでは弘昼和親王役。 | 趙国の宰相。恵文王(趙丹の父)の弟。エイラクでは李玉(皇帝付の太監)役。 |
>>>「コウラン伝」あらすじ・相関図詳細(外部リンク)
「コウラン伝始皇帝の母」を理解する時代背景と豆知識
①戦国時代とは?:秦が初めて中華を統一するのが紀元前221年。それまでの春秋時代(春秋十二列候)が終わり、覇権を握った諸侯が君主の7大国(戦国の七雄:秦、楚、斉、燕、趙、魏、韓)がある時代のこと。紀元前405年~前221年が一般的。
ちなみに秦の後が項羽と劉邦でおなじみの前漢時代(紀元前202年~前8年)です。
②秦国の歴代王(君主):第31代秦始皇(嬴政:中華統一)-第30代荘襄王(嬴異人)-第29代孝文王(安国君/嬴柱)-第28代昭襄王(昭王/嬴稷)-第27代武王(嬴蕩)-第26代恵文王(初代秦王:嬴駟)
③宣太后(ミーユエ):中国の歴史ドラマで日本でもヒットした「ミーユエ~王朝を照らす月~」の主人公は始皇帝の高祖母にあたる宣太后をモデルにしたドラマ。「コウラン伝」に登場する人物関係でいえば、秦王嬴稷(えいしょく)の母にあたる。
「コウラン伝」の始皇帝時代を知るためのドラマ
①「ミーユエ~王朝を照らす月~(2015年)」:春秋戦国時代(紀元前338年~前265年)
②「昭王~大秦帝国の夜明け~(2017年)」:春秋戦国時代(紀元前306年~前251年)
③「麗姫と始皇帝(2017年)」:戦国~秦時代(紀元前240~前210年)
④「始皇帝列伝(2001年)」:戦国~秦時代(紀元前250~前210年)
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