韓国時代ドラマでみる李氏朝鮮王朝の役所と官僚(行政・治安)
韓国時代ドラマを知るための李氏朝鮮官僚と役割について簡単に知っておいたほうが、ドラマ内の状況がよくわかります。韓国時代ドラマの中では身分制度もさることながらその身分相応の職業や役職・役所にスポットをあてたドラマもたくさんあります。
ドラマの中ではいろいろな役職とのやり取りやその権力の度合いによってどの次元の出来事なのか、ドラマの流れの要素をカタチ作っています。
ドラマ「トンイ」の中でいちばん最初に“大司憲(テサホン)”が殺害される話しから始まりますが、官職と任務内容があとでリンクしてきます。その裏にある権力と陰謀がドラマとして面白みを出しているのがよくわかります。
李氏朝鮮王朝の時代でも1460年(第7代世祖治世)から王朝後期の役所と役職・品位をまとめてみました。
目次
【行政・治安】
○議政府(ウィジョンブ):
最高政治機関。政治の決議機関。
○六曹(ユクジョ):
行政執行機関。6つの曹(今でいう省庁のようなもの)から成る。
-吏曹・・・文官の人事を司る。
-戸層・・・財政を司る。
-礼曹・・・儀礼・外交・学校・科挙を司る。
-兵曹・・・軍事・武官人事を司る。
-刑曹・・・刑罰・訴訟を司る。
-工曹・・・土木・工匠・営繕を司る。
○司憲府(サホンブ):
官僚の不正監視。風紀の取り締まり。
○義禁府(ウィグムブ):
王命により王族の犯罪・国事犯・反逆罪に対応する司法機関。 奴婢が主人に対して犯す罪も扱う。
○漢城府(ハンソンブ):
首都の行政・司法・治安維持。
○捕盗庁(ポドンチョ):
漢城府(李氏王朝の首都)と京畿道(漢城のある道)の治安を維持するための警察業務を行う部署。管轄によって左捕盗庁と右捕盗庁に分かれていた。
※品位は正従9品の18階級ある。宮殿(王宮)に上がれるのは正三品堂上まで。正三品は宮殿に上がれる堂上と堂下に分かれていた。 ※官服(官僚の服)は正三品堂上以上は赤、正三品堂下以下は青、正七品以下は緑と決まっていた。 ※行政の決定事項は議政府と六曹の長(判事)が行い、六曹で実務が行われる。