「太陽を抱く月」でみる王の食事:ジョンゴル(鍋料理)
“ジョンゴル”は太陽を抱く月のドラマの中で、王のイ・フォンが焼厨房(ソジュバン)の女官に話しかける場面ででてきます。
朝食べた食事の内容について感想を言っているのですが、ジョンゴルは王(族)の食事に毎日でてくる料理の1つです。
ジョンゴル 전골
チョンゴルは韓国鍋料理の1つ。基本的に鍋料理にはジョンゴルとチゲがある。昔はチゲは大衆料理、ジョンゴルは宮廷料理として食べられていた。
チゲは基本的に1人用の鍋で、主な材料を中心に調理されるのに対して、ジョンゴルは寄せ鍋やすき焼きのように何でも煮て食べる。具もいろいろありチゲより豪華。通常3~4人で食べる。
またチゲがあらかじめ具材を入れてスープと煮込むのに対して、ジョンゴルは熱した鍋にいろいろな材料を生のまま、もしくは汁のにごるものや火の通りにくいものはあらかじめ下ごしらえして、ジョンゴル鍋に彩りよく並べ、味付けした熱いスープを注いでその場で煮ながら食べる。
本来は材料は別に準備されておりスープで煮ながら食べる。ちなみにこれを更に豪華にしたものが“神仙炉(シンソルロ)”という宮廷料理である。
李氏朝鮮時代のジョンゴル鍋(煎鉄器とよばれていた。)は中央がくぼんでおり、そこにスープを注いで具を煮ながら食べていた。また縁の部分は平になっていて、そこで薄切りの肉を焼いて食べられるようになっていた。
チゲはメインとなる具でその呼び名が違うように、ジョンゴルも入れる材料によって呼び名が違う。
●コプチャンジョンゴル:牛モツのジョンゴル コプチャンは牛の小腸のこと。他にも内臓類を合わせて入れることが多い。ヤンニョムが添えられていることが多いため赤い鍋のイメージがある。 ヤンニョム・・・韓国の合わせ調味料の一種。焼肉の下味に利用されたり、ナムルにも使われる。
●セ(ソ)ゴギジョンゴル:牛肉のジョンゴル 牛肉の薄切りをいれてしょうゆベースのスープで煮込む。
●トゥブジョンゴル:豆腐のジョンゴル 大きめに切った豆腐あるいは牛肉をはさんだ豆腐にタマゴをからめて焼き、スープで煮る。
●ナッチジョンゴル:手長たこのジョンゴル 野菜やきのこの中に、ヤンニョムで味をつけた手長たこを中央にのせ煮て食べる。
●カクセクジョンゴル:各種具入りのジョンゴル カクセクは各色という意味でいろいろな具材をきれいに並べ、しょうゆベースのスープで煮込む。
●ポソッジョンゴル:きのこのジョンゴル いろいろなきのこや野菜を入れてあっさり目のしょうゆベースのスープで煮込む。
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