ドラマ「太陽の末裔」から知る韓国軍の組織と兵役俳優のリアル
ドラマ「太陽の末裔」ではソン・ジュンギの演じたユ・シジンをはじめ、韓国の軍隊や兵士に興味をもった方も多いですよね。それでなくても韓流スターの兵役情報にはファンなら気になるもの。
俳優の兵役情報やドラマに出てくる軍隊に関する管理人が気になることをまとめてみました。結構リアルに緊張状態だな、と感じます。
詳しい兵役と俳優の関係については>>>「2015年~2016年の韓流スターの兵役」で
ソン・ジュンギの兵役経験は太陽の末裔の役作りにも役に立った
主演のソン・ジュンギはユ・シジンの役作りに兵役の訓練経験が役に立ったと語っています。確かに実戦的な訓練は体験した人にしかわからないもので、ドラマの中の感情や動作にはリアリティが感じられます。
そのソン・ジュンギが兵役で服務したのが韓国陸軍“第22師団”です。その師団の拠点がまさに北朝鮮との軍事境界線を有する韓国最東部の江原道(カンウォンド)高城(コソン)と言う場所。
陸軍の訓練所の中でも軍務が特に厳しいことで知られる部隊で、度々事件が起きていることでも有名です。ソン・ジュンギが服務中の2014年6月にも兵役軍人による銃乱射事件で死者がでる惨事が起こり、他の年には北朝鮮兵士が亡命してきたいわゆる「ノック亡命」や兵士による自殺も起きています。まさに最前線での体験がドラマにも生きているのかもしれませんね。
太陽の末裔での役どころ「特殊戦司令部」とは何か?
ドラマの中でのソン・ジュンギの役どころは特殊戦司令部のテベク部隊(大隊)のモウル中隊のチーム長ユ・シジン大尉です。ドラマでも有事が発生する度に召集命令がかかりますが、まさにそんな部隊です。
韓国陸軍直轄の軍団でその任務は有事の際に迅速に行動、対処する部隊で日本の自衛隊の中央即応集団に近い部隊です。アメリカのグリーンベレーになぞって“コムンベレー/검은 베레”とも呼ばれます(コムンは“黒い”の意味)。
現在兵役服務中のイ・スンギ(写真)がこの特殊戦司令部の第13空輸特戦旅団(通称:黒豹部隊)の情報兵として配属になっています。実際の作戦では副士官以上しか実戦に出ないようですが、落下傘(空輸)訓練は受けているはず。イ・スンギの除隊(転役)は2017年10月31日予定です。まさにリアル「太陽の末裔」な感じです!
その特殊戦司令部は司令本部隷下に6つの空輸特戦旅団と国際平和支援団、第707特殊任務大隊(海外の在留邦人救出を主とする対テロ部隊)、訓練部隊があります。ユ・シジンはこの中の空輸特戦旅団の1中隊に所属する軍人役です。大尉なのでモウル中隊のチーム長となっています。(韓国陸軍特殊司令部エンブレム↓↓)
実際の特殊戦司令部の総指揮官は中将、空輸特戦旅団は4大隊(大隊長は准将)で構成され、その下に3区隊(区隊長は少領/佐)その中に5中隊(チーム長は大尉)で構成されています。1つの大隊に15中隊があることになります。1中隊は12人で組織されます。
部隊の名前は架空のものですが、実際の隊構成は同じです。
韓国軍特殊司令部>>>ホームページ
ドラマと現実の軍隊を分かりやすく比較してみた
ドラマでも軍の組織や登場人物の役職がでてきたり、韓流スターが「○○師団に配属」みたいなニュースもありますが、話題に多い韓国陸軍の組織構成をまとめてみました。これでより親近感が湧くはず。。。
韓国軍の階級については>>>「太陽の末裔」から見る韓国の兵役と軍隊で
実際の韓流スター配属は、
- ソン・ジュンギ:第8軍団第22歩兵師団
- イ・スンギ:特殊戦司令部第13空輸特戦旅団
- 東方神起ユンホ:第6軍団第26機械化歩兵師団
となっています。イ・スンギの所属する通称黒豹部隊は歴代の特殊戦トップチームに選ばれたことが最も多い精英部隊です。余談ですが、女優のパク・ボヨンの父親がこのチームの副士官です。
また韓国国際平和支援団の中の南スーダン再建支援団(通称:ハンビット部隊)は日本の自衛隊と共に活動しています。
【韓国陸軍組織構成】 兵力単位:軍団-師団-旅団-連隊