ドラマ「許浚ホジュン」でみる李氏朝鮮の“内医院”とは?

 

歴史ドラマで必ずと言っていいほどでてくるのがこの“内医院내의원(ネイウォン)”です。簡単にいえば王族や宮中の医療に関わる機関で宮中病院のようなところです。

王の健康状態は国家の存亡にも関わる重大事項で病にかからないように健康を維持するのはもちろんのことですが、病気になっても最善を尽くして治療にあたり、仮に王に万一のことがあればその責任をとって死罪もしくは流刑になることも珍しくなかったといいます。

ホ・ジュンも1608年の宣祖の死により流刑になっています。

 

内医院の役割と王の主治医(御医)

内医院は行政機関六曹”の1つ吏曹に属し、その他の医療機関には典医監전의감(ニョニガム)、恵民署혜민서(ヘミンソ)がありこの3つを合わせて三医司(サムイムサ)と呼んでいた。恵民署は主に庶民に対しての医療機関だったが庶民向けにはもう1つ“活人署활인서(ファリンソ)があり2つを合わせて両医司と呼んでいた。

活人署:庶民の診療だけでなく食糧の給付・貧民の救済も行っていた。また伝染病が発生すると患者の収容、隔離をして衣食住の面倒をみて蔓延を防いだ。死亡者がでると埋葬まで担当することもあった。1709年粛宗の時代に恵民署に吸収され1743年英祖のときに廃止された。

その中で医官(医師)は内医院に属し主に王族及び宮中内の人の治療及び薬草の調合を行っていた。特に王を診ることができるのは“御医(オイ)”と呼ばれる主治医だけだった。御医は王の日ごろの健康管理から治療まで重大な責任を負う立場にあった。

そのため内医院に限らず関係部署との協力が不可欠だった。チャングムでお馴染みの“水刺間(スラッカン)”には体調や持病を考えて食事療法を指示し、承政院(スンジョンウォン)で記録されている承政院日記(王に関わるあらゆる事が記録されている。)によって王の病歴・行動、王族関係者の病歴に至るまで調べ治療に反映させた。

内医院の主な仕事は、

①王の健康管理及び治療(投薬、鍼灸、按摩等)
②王族の健康管理治療(担当医官が決まっているのが普通)
③王妃あるいは世継ぎを生む身重の後宮の環境整備及び健康管理
④高齢の先代の大妃の健康管理
⑤宮中の高官、宮女の治療 などである。

医官は管理職の文官武官とは違い“専門職”のため身分はそれほど高くなかった。この専門職の人々は両班の下の階級“中人(チュイン)”だった。御医だけは例外で王の健康を守り維持することが責務だったため両班の身分が与えられた。ただし医官になるためにも科挙の試験が課せられたが、一般の管理職のものとは違っており(雑科:4種類あり医官は医科)、受験資格も両班以外の者にも与えられた。

 



サブコンテンツ

このページの先頭へ